毎年家族でヨーロッパ便のビジネスクラスに搭乗

出張などで飛行機に乗る機会が多い方もいらっしゃるはずですが、マイルを効率的に貯めていますか。私はANAとJALのマイルを貯めて、毎年、夫婦、あるいは家族3~4人でヨーロッパ便やアメリカ便のビジネスクラスに搭乗しています。
夫婦とも旅行好きなので、プライベートでも飛行機に乗る機会はそれなりにありますが、マイルの多くは日常生活で貯めています。つまりは“陸マイラー”として貯めている部分が多いのです。日常生活では20年以上、ほぼキャッシュレスで暮らしており、生活周りで獲得できたポイントのほとんどをマイルに交換しています。そのような経験から、飛行機に乗らなくても貯められるマイル獲得法をご紹介します。

生活費はできるだけANAカードとJALカードで支払う

マイルを貯めるために、ANAカードとJALカードを保有しています。公共料金やサブスクの各種料金、生命保険料などでカード払いができるものなどはANAカードで支払いをしています。ANAカードはで貯まるポイントの基本は200円で1ポイントですが、私が保有しているのはANAワイドゴールドカードなので100円で1ポイントが付き、1ポイントは2マイルになります。さらに、利用金額や利用した店舗によっては、ポイント数が最大で20倍の交換減率になるケースもあります。
ANAワイドゴールドカードの年会費は1万5,400円するものの、一般カードはマイルへの移行手数料が5,500円から6,600円程度(提携ブランドにより異なる)かかりますので、マイルを効率的に貯めたいならゴールドカードがおすすめです。またゴールドカードなら、カードラウンジが無料で利用できる空港も多いので、ラウンジの利用料だけで、年会費のもとは取れています。
ただし、ANAワイドゴールドカードを持ち始めた頃は、ボーナスポイントが1ポイント10マイルに交換できていました。交換レートが下がったことを残念に感じていますが、こうした交換レートの変更は今後もありうるので、交換レートの変更によっては保有するカードを変える可能性もあります。交換レートの変更には気を配っておきましょう。
JALカードはゴールドカードではなく、CLUB-Aカードを保有しています。CLUB-Aカードの場合、200円につき1マイルが付与されますが、「ショッピングマイルプレミアム」に加入しているため、200円で2マイルが貯まっています。
ただし、ショッピングマイルプログラムは、年会費が4,950円かかります。CLUB-Aゴールドカードであれば、ショッピングマイルプログラムの年会費がかからず、CLUB-Aカードとの年会費の差が6,600円なので、ゴールドカードに変更することを検討しています。 
ちなみに、ショッピングマイルプレミアムに加入していなくても、スターバックスやファミリーマート、イオン、トヨタレンタカー、ルートインホテルズのようにJALの特約店でJALカードを使えば、200円で2マイルが貯まります。

ポイントサイト経由でマイル増を実現

ANAカードやJALカードでの支払いでもそれなりにマイルは貯まりますが、それだけで毎年ビジネスクラスに搭乗できるわけではありません。生活のさまざまな場面で貯まるポイントをマイルに替えたり、マイル数を増やす努力をしています。
たとえば、私の携帯キャリアはドコモなので、携帯料金をdカードで支払うことでdポイントが貯まります。そのほか、d払いで貯まるdポイントも合わせて、JALのマイルに交換しています。さらには、貯まったdポイントをそのままJALマイルに交換するのではなく、dポイントをポイント運用に回して殖やす努力もしています。現在までのところ、金投資のポイント運用が一番利益を出しています。
楽天市場で買い物をする際は、「ハピタス」というポイントサイトを経由して楽天市場に入ります。すると、楽天市場での買い物ポイントのほかに、ハピタスポイントも貯まります。ハピタスポイントは、JALマイルに交換可能。2ポイントが1マイルに交換できるキャンペーンを随時行っているので、キャンペーンの際、ひと月に交換できる上限ポイントまで、ハピタスポイントをJALマイルに交換しています。ハピタスのサイトでは、Booking.comやAGODAなどのホテルサイトのポイント付与レートが高いので、ハピタスを経由してホテル予約をすると、ハピタスポイントがかなり貯まります。
楽天市場での買い物で貯まるポイントは、楽天ポイント2ポイントで1マイルに交換できます(通常ポイントのみ)。ただし、楽天ポイントもすぐにANAマイルに交換せず、ポイント運用を利用して、殖やす努力をしています。楽天ポイントの運用では20%近い利益(ポイント増)が出ています。
注意点として知っておきたいのは、楽天ポイントからANAマイルに交換できるポイント数には、1日ごと、そしてひと月の上限ポイントが決まっていること。マイルとして使いたいと思っても、一気に交換はできないことは理解しておきたいところです。

楽天市場での買い物でANAとJALの両方のマイルを貯める

他のサイトで貯めたポイントもマイルになるまで移動させる

JR東日本管内でのショッピングや新幹線の利用などで貯まるJREポイントは、JALマイルに交換しています。ちなみに、JREのポイントカードは無料で持てるカードです。JALマイルへの交換レートは、JALカードのほうでショッピングマイルプレミアムに加入しているため、1,500ポイントが1,000マイルに交換できています(ショッピングマイルプレミアムに加入していない場合は1,500ポイントが500マイルになる)。
このほかVポイントはANAマイル、pontaポイントはJALマイルに交換しています。直接マイルに交換できないポイントは、マイルへの交換が可能なサイトにいったんポイントを移動させて、最終的にはマイルに交換します。今のところ、日々の支出でマイルに交換できないのは、PayPayの支払いで貯まるPayPayポイントくらいです。

マイルは貯めるより予約するほうが難しくなっている

最後はマイルを使った特典航空券の予約に触れておきたいと思います。実はコロナ禍をはさんで、マイルでのビジネスクラスの予約がかなり難しくなっています。コロナ禍が落ち着き、久しぶりの海外旅行だからとビジネスクラスツアーの販売が好調らしく、マイルで予約できる席が絞られているようなのです。
コロナ禍以前は、ANAの特典航空券であれば355日前の朝10時など、マイルでの予約が可能になった瞬間に予約すれば、ビジネスクラスでの予約はほぼ成立していました。ただし、行きと帰りの便を同時に予約できるまで待っていると、帰りの便の予約が開始する頃には行きの便が埋まってしまいます。そのため行きの便は予約可能な席を取り、帰りの便はキャンセル待ちの席を予約して、帰りの便が取れるようになるまで、行きの便を抑えたまま待つという作戦を使っていました。
ところがコロナ禍が明けてからは、この方法を使ってもなかなかビジネスクラスが取れなくなっています。たとえば2020年夏にニューヨーク便に搭乗した時は、お盆の時期にも関わらずファーストクラスが取れたのに、今夏に搭乗したニューヨーク便はプレミアムエコノミー止まりでした。
プレミアム会員の上位ステイタスの方から時間差で予約がスタートすることを考えますと、ANAの一般会員が繁忙期にビジネスクラスの予約を取るのはかなり難しくなっています。いっぽうのJALは、需要によってマイル数が変動する仕組みになっています。予約に必要なマイル数を持っていれば、希望の便が取れるので、取りやすさはJALに軍配が上がると思います。とはいえ、同じ目的地でもANA便より多くのマイルを必要とするケースも多いので、JAL便の予約をしたいならJALマイルを集中して貯めるのがおすすめです。


※ 本文は、著者の調査・経験に基づき一般的な内容を掲載したものです。また、各種制度については執筆時点のものであり、将来変更となる可能性がございます。資産運用においてはお客様ご自身の収入や貯蓄、生活スタイル等に基づいてご判断ください。

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コラム著者

畠中雅子氏
ファイナンシャルプランナー(CFP®)