日本では、最近どこへ行っても大抵温水洗浄便座付のトイレが設置されています。
海外旅行から帰ってきて、成田空港でお手洗いに行った際に、その清潔さ便利さに改めて感動した経験は皆様にもあるのではないでしょうか。この温水洗浄便座の元となった製品は実は1970年の大阪万博で最新の技術として展示されていたようです。それから約50年、温水洗浄便座付トイレは日本では当たり前のものとなってきています。
一方、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(ユニセフ)によると、途上国の中でも特に発展の遅れた後発発展途上国では、医療施設の45%が基本的な水道設備を十分備えておらず、21%の医療施設は近代的なトイレまたは一切のトイレがなく、16%は石鹸などを備えた洗面設備さえないとのことです。このような医療施設にかかる人は単純計算で推定8億9,600万人に達し、また、毎年100万人以上が出産時の不衛生な環境に関連して亡くなっています。
私達は最新技術の恩恵を受けやすい環境にあり、こういった世界の状況を見落としがちです。しかし想像力を広げ、関心を持つことで、途上国の人々を支援できることがあるのではないでしょうか。私は、温水洗浄便座を愛用しつつ(笑)、少額ではありますが、NGO(非政府組織)を通じて途上国への毎月の募金を続けています。
出所:WHO、ユニセフ(2016年のデータを基に作成。2019年4月3日発表。)