【特集】日本株式市場の構造的変化を捉える『アムンディ・ターゲット・ジャパン戦略』
2023年11月作成
割安な企業へ厳選投資、対話を通じて変化を促すことで長期に優れた運用成果を実現
2023年は日本株がバブル崩壊以降の最高値更新など好調なパフォーマンスとなっている。世界の株式市場が堅調に見える中、世界的な実体経済とはかい離してきているとの懸念も存在している。これからは、投資先企業の選定が、より重要な要素となると考えられる。中長期における一貫した投資哲学と運用手法において、日本株運用で高い運用実績を出し続けている、アムンディ・ジャパンの株式運用部長の石原宏美、ジャパン・ターゲット戦略ヘッドの春川直史に日本株の魅力と同社の運用戦略について、ウエルスアドバイザーの代表取締役社長の朝倉智也氏が聞いた。
朝倉氏: アムンディ・ジャパンはフランスに本社を置く欧州最大の運用会社です。そして、日本株アクティブ運用でも長い歴史があります。金融庁のプログレスレポートでも、日本は米国や欧州と比べて、ベンチマークに勝っているアクティブファンドの本数の割合が高いという指摘がありました。日本ではアクティブファンドの拡大余地が大きいということも指摘されています。アムンディから見たアクティブファンドの重要性について伺いたいと思います。
石原: 2023年の日本株の上昇の背景には、日本の構造的変化に対する期待、という独自の要因があると考えています。その構造的変化にはさまざまな要因がありますが、大きく3つあります。
1つはコーポレートガバナンス改革です。2023年3月末に出された東証のPBR1倍割れ改善要請をきっかけに、日本企業の経営改革が進んでいくと期待されています。
2つ目が30年間日本で続いてきたデフレからの脱却への期待です。インフレ、金利のある世界への移行と、労働人口減少による生産効率向上のための人的資本への投資、および賃上げに対する期待が高まっています。金利のある世界では、攻めの経営が重要になり、日本の企業行動が変わってくると考えています。
3つ目がサプライチェーンの再構築です。グローバル化の中で構築されたサプライチェーンが、コロナ危機や昨今の地政学リスクの高まりを受け、転換点を迎えています。日本でもすでに国内への生産回帰や半導体を中心とした国内外企業による投資活発化などから伺われる通り、新しいサプライチェーン構築が進んでいます。サプライチェーン再構築を通じた新たな成長機会が生まれようとしています。
アクティブ投資は、このような大きな変化の中にありながら、変化の中でしっかりと進化していける企業を発掘し、投資を行う点に意義があると思っております。われわれは長期の視点から投資を行っており、基本的には、投資開始後、数年単位で保有します。こうした変化に対応していこうとする、あるいはその変化をビジネスの機会にしようとする企業に資本を預けることで、その変化をサポートしていくという役割も、アクティブ投資家として担っていると思っています。そういった意味では、指数構成銘柄に幅広く投資をするインデックスとは違う、投資の醍醐味(だいごみ)があると考えています。
朝倉氏: 石原さんに、日本株の3つの観点をご指摘いただきましたが、大きな変化の中でも変化できる企業と、変化できない企業というのは、当然出てくるということですよね。より、選別が必要になってくるということでしょう。
アムンディの代表的なファンドとして、日本株投資の「アムンディ・ターゲット・ジャパン戦略」があります。2000年から運用されていて、23年の運用実績がありますが、この間、2000年のITバブル崩壊、その後は、リーマン・ショック、チャイナショック、そして、コロナショックと、市場が大きく下落した金融危機がありました。この戦略は、こうした危機を乗り越え、長年にわたり、高い運用実績を維持してきました。その理由を教えていただきたいと思います。
春川: 高いパフォーマンスを残してきた理由は、一貫した投資哲学、運用プロセスのもと、運用を忠実に実践してきたことにあると考えています。
この運用戦略の投資スタイルは、バリュー投資で、PBR(株価純資産倍率)を重視しています。つまり、資産価値から見て割安な企業に投資を行っています。
資産価値を重視する理由は、将来の業績成長を正しく予想することは困難ですが、資産価値は既に価値が確定していて、将来も大きく変動することはなく、信用性、確実性が高い指標だと考えているからです。
運用プロセスの第一段階で、全上場企業の中から割安な株を定量面から絞り込み、その後、ファンドマネジャーが、企業調査を通じた定性分析を行います。その際に重視しているポイントが2つあります。
1つが、その企業の事業の競争力です。事業の競争優位性が中長期で変化しないかということ。2つ目が、経営陣が株主を向いた経営を行っているのかという点です。これらを取材などを通じ、分析した上で、最終的な投資判断を行います。
当戦略のポートフォリオは、中小型株へのエクスポージャーが高くなっています。今、日本で上場企業は約3,900社ありますが、その9割が中小型株企業です。この中小型株企業は、アナリストのカバーがほとんどなく、ここに大きな投資チャンスがあると考えています。
アナリストのカバーがないと、他の投資家の関心が薄く、その結果として、企業の株価は、本来の価値より割安に放置されている場合があります。こうした企業群が将来、アナリストによるカバー開始で、他の投資家から注目を集めるようになることで、株価の再評価余地があると考えています。市場価値の再評価こそが当戦略のリターンの源泉です。
運用プロセスの中で最も重視しているのが、企業の経営陣との対話です。PBRで割安な銘柄に投資する当戦略では、なぜPBRが割安に放置されているのかという視点が重要です。投資する前に必ず、その企業がなぜ割安なのかを分析し、割安な理由および改善方法を企業の経営陣と議論し、投資開始後には、それを実施してもらえるように、企業の経営陣と積極的に対話を行っています。
バリュー投資には「バリュートラップ」、つまり万年割安株もあります。そうした銘柄を避ける手段として、企業との対話が重要です。
株価の割安度が解消したら、売却し、別の割安企業に入れ替える、この運用プロセスを本当に愚直に繰り返してきました。これが高いパフォーマンスにつながっていると考えています。
朝倉氏: この運用戦略では、市場の下落局面で、高い下値耐性を発揮するという特徴は注目に値すると思います。パフォーマンスが良く、リスクも抑えられているので、リスク当たりのリターンを示すシャープレシオが高いです。その秘訣、要因を教えてください。
春川: 過去23年を振り返ると、相場が下落した年度は9回あり、そのうちの8回で、ベンチマークを上回るパフォーマンスを獲得しています。この市場の下落局面における下値耐性の理由は、投資先の特性にあります。
先ほど、投資先候補の条件の1つに、PBRが割安であると申し上げましたが、定量面から着目している点が他にもあります。それが、「財務健全性」と、「株主還元余力」です。当戦略ではこの3点を全て満たした企業にのみ投資を行っています。
例えば、PBRが割安な銘柄は、すでに株価は調整した水準にあるので、下落相場でも、相対的に株価が下がりづらいということがあります。
市場が大きく下落する局面では、信用リスクが高まることから、借入金の大きい会社が売り込まれやすい傾向があります。逆に言えば、現預金比率が高い、財務健全性が高いということは、下落局面で株価が下げづらい要因になります。
最後の株主還元余力という点では、株価が下落したときに企業が、例えば自社株買いや、増配という形で株価を下支えする策を打てるということで、この株主還元余力が高いというのも、下げ相場に強い要因になっています。
他にも、当戦略の独自の着眼点としては、投資先の財務分析の際には、負債に関してはバランスシート上に載っていない負債項目にも注目します。例えば、リース資産などを加味して財務の状況を分析しています。資産についても、資産の中でも利益を生み出していない、赤字の資産に関しては、資産から控除した修正PBRを算出して評価しています。
真に割安で、財務が健全な企業、それをファンドマネジャーが一人一人分析して、投資対象を絞り込んでいます。これが下落相場に強い理由だと思います。
朝倉氏: アムンディは欧州最大の運用会社として、ESG投資に強いイメージがあります。ただ、フランスの会社が日本株でも十分な分析ができる体制があるのかという点に疑問をもつ方もいらっしゃると思います。この点はいかがですか?
石原: アムンディの日本株の運用体制は、戦略ごとに専属のチームがあります。ターゲット戦略については、専属のファンドマネジャー4名で運用を行っています。社内異動はなく、運用のプロフェッショナルとして長年戦略の運用に携わっています。春川も2005年の入社で、入社来、当戦略の運用を担当しています。チームの業界経験平均年数も20年超と、ベテランの運用者による運用が特徴です。
4名のファンドマネジャーが企業調査も担当しています。投資判断を行う戦略の運用者が、当戦略にとって最適な投資先を選択します。先ほど、春川も申し上げておりましたが、企業との対話というところでも、運用担当者が行うことで、本当にその会社の企業価値のために重要な議題の対話ができるというところが強みであると思っています。
朝倉氏: 年間の取材件数は相当多いのでしょうか?
石原: はい、4名で年間900件超の取材を実施しています。
朝倉氏: 900件超とは、大変な数ですね。それだけ丹念に愚直に取り組まれて、経営者とも対話されているからこそ、それだけの運用実績が上げられたということだと思います。今日はお話を伺って、企業選別がいかに重要かということが本当によく分かりました。
来年、2024年1月からは、いよいよ新しいNISAが始まります。このファンドも成長投資枠で購入できるということですが、できるだけ中長期でお持ちいただきたいと思います。個人投資家の皆さんに、ぜひお二人から今後の投資を含めて、メッセージをお願いしたいと思います。
石原: 日本企業は、稀に見る大きな構造変化の真っ只中にあります。ただ、この構造変化も、今ようやく、変化を促す枠組みが整った段階であり、これから実際の日本企業の行動につながる段階へ移行すると考えています。日本株は、まさにこれから変化が顕在化する中で、ますます魅力的な資産クラスになると考えています。
春川: 株式投資でありながら、相場の大きな変動に左右されることなく、お客さまに安定したリターンをお届けしたいという運用チームの想いから、23年前にこのファンドが設定されました。
その設定から23年を経た今年(2023年)、東証の市場改革の一環としてPBR1倍割れ改善要請が出されました。この要請の中身は、まさにわれわれがこの23年間、企業に提案し続けてきた内容そのものです。足元の動きは、われわれの中長期のパフォーマンスにとって、大きな追い風になると考えています。ぜひ、皆さまの資産形成の1つとして当ファンドをご検討いただければ幸いです。
朝倉氏: 石原さん、春川さん、本日はどうもありがとうございました。お二人は、欧州の投資家からも日本企業に対して注目度が高まっていることを感じておられると思いますし、私も欧米の機関投資家が、本当に日本に注目しているなというのはよく感じます。その中で、きらりと光る日本株ファンドです。ぜひ期待をしていますので、今後も頑張っていただきたいと思います。
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