1.インド株式市場の動向

足元も良好なパフォーマンスを示すインド株式

 

インド経済の見通し

  • インド経済の最大の強みは、34歳以下の若年層が人口の約6割を占めるという「豊富な若年労働力」にあります。さらに、近年ではウクライナ問題や中台関係の地政学面での緊張化の影響等から、全方位外交を行うインドが新たな安定した生産拠点・直接投資先として再び注目を集めつつあります。かかる点がインドにおける雇用の拡大のみならず、外資企業の進出を背景としたインド国内への技術移転および国内産業の活性化に繋がり、モディ現政権のこれらをサポートする政策と相まってインドの持続的な経済成長に寄与することが期待されます。
  • 2024年の総選挙では、モディ政権の継続が有力視されていますが、仮に政権交代が生じた場合にも、インド改革の歩みは継続すると見られます。例えば、モディ現政権による経済成長に資する政策は、それ以前の与党であった国民会議派のシン前政権下において実施されたインフラ投資の促進や直接投資に対する規制の緩和を重視した政策などを踏襲したものであり、仮に次回総選挙で現野党連合が政権を奪取した際においても、雇用創出や経済成長、貧困削減といったテーマは引き続き重視されることが想定され、このような持続的な経済成長に向けた改革の流れは継続することが期待されます。

 

SBIファンズ・マネジメント・リミテッド(2024年2月15日現在)のコメントを基に、アムンディ・ジャパン株式会社が作成。


インド小型株:S&P BSE スモールキャップ・インデックス(インドルピーベース)、インド中型株:S&P BSE ミッドキャップ・インデックス(インドルピーベース) 、インド大型株:S&P BSE ラージキャップ・インデックス(インドルピーベース) 、先進国:MSCI ワールド・インデックス(米ドルベース)、新興国:MSCI エマージング・インデックス(米ドルベース)。各インデックスはトータルリターン(グロス)を使用。
出所:アムンディ・ジャパン株式会社。使用した指数の権利については、ページ下部をご覧ください。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
 

2.インドの景気動向

インドの経済成長見通しは上方修正

インド小型株_レポート01
  • 2024年、世界経済の鈍化が懸念される中、インドのGDP成長率は上方修正されるなど、引き続き堅調な見通しが維持されており、世界的にも際立った存在となっています。
  • インドのGDPに占める企業利益の割合は、10年来の下落傾向が底を打ち、直近3年間では上昇傾向になるなど、足元が業績拡大サイクルの初期段階にあることが示唆されており、中長期の収益動向は明るいと考えられます。

国際通貨基金(IMF)の上方修正前は、「世界経済見通し2023年10月版」、上方修正後は、「世界経済見通し2024年1月版」、インド準備銀行の上方修正前は、2023年12月22日時点、上方修正後は2024年2月8日時点。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

利下げ局面入りとなれば、景気が一段引きあがる可能性

インド小型株_レポート01
  • インド準備銀行は、2022年のインフレ率上昇を受け、同年5月以降利上げを実施するも、2023年2月以降は、据え置きが続いています。
  • 今後、インフレ目標の中央値4%程度までインフレが落ち着き、利下げ局面入りした場合、景気が一段上に引きあがることが予想され、リスクオンからインド株への注目度がさらに高まると期待されます。

出所:SBIファンズ・マネジメント・リミテッド、国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し2023年10月版」および 「世界経済見通し2024年1月版」、インド準備銀行のデータ等を基に、アムンディ・ジャパン株式会社が作成。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

3.インド株への関心の高まり

高水準の利益成長が期待されるインド企業

インド小型株_レポート01
  • インド株の予想EPSは、2024年以降も高水準で推移することが予想されています。
  • インド経済の安定した成長や、世界的なサプライチェーン再構築の動きは、将来的なインド企業の収益拡大の追い風と考えられ、インド株式市場の成長につながると期待されています。

* インド株:S&P BSE オールキャップ・インデックス
2023年までは各年末時点、2024年以降は2024年1月末時点における予想値。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

個人投資家による投資の加速は株式市場をサポート

インド小型株_レポート01
  • インドでは、少額から投信の積立を可能とする制度『SIP(システマティック・インベストメント・プラン)』の活用が旺盛です。
  • 中間所得層の増加等により、SIPに加え、保険や年金基金からの資金流入も増加傾向にあるなど、国内の資金流入は、インドの株式市場を中長期的に下支えするものと考えられます。

出所:インド投資信託協会(AMFI)のデータ、各種報道等の情報を基に、アムンディ・ジャパン株式会社が作成。
使用した指数の権利については、ページ下部をご覧ください。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

4.所得水準向上による消費拡大の恩恵を受ける小型株

インド小型株の見通し

  • 若年層の多い人口構成や所得水準の向上による消費の拡大などを原動力とした力強い経済成長と堅調な投資サイクルの最中にあるインドでは、その恩恵を最も受けるのは中小企業であると想定されることから、小型株セグメントの業績も堅調に推移すると考えています。
  • 大型株や中型株に比べ小型株への投資は、広範なセクターに多くの潜在的な投資機会があり、投資家はバランスの取れたポートフォリオを構築するチャンスがあるとみています。
  • また、小型株市場には優良で成長性が高いにも関わらず、調査の手が及ばずに見過ごされている企業が多く存在しており、その投資には特に高い調査・分析能力が求められ、ビジネスが持続的な競争優位性を持つことや、経営陣が優良であること、バリュエーションの妥当性などを見極め、大きな成長が期待できる企業を適切に選択する投資アプローチが重要といえます。

SBIファンズ・マネジメント・リミテッド(2024年2月15日現在)

高・中所得層の増加から期待される消費の拡大

インド小型株_レポート01
  • 高・中所得層は今後大幅に増加することが見込まれており、それに伴い生産や消費が拡大すると思われます。
  • 生産や消費の拡大は、内需関連銘柄の多いインド小型株市場への追い風となることが期待されます。

低所得:4,000米ドル未満、低中所得:4,000~8,500米ドル、高中所得:8,500~40,000米ドル、高所得:40,000米ドル以上、GDP成長率は7.5%と仮定。
出所:「Future of Consumption in Fast-Growth Consumer Markets: INDIA」ベイン・アンド・カンパニー、ICE 360o Surveysおよび世界経済フォーラムの情報を基に、アムンディ・ジャパン株式会社が作成。
上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

ご参考:対円為替レート

  • 米国や欧州ではインフレのピークアウトとともに利下げ圧力が高まるにつれ、米ドル・ユーロ安/円高傾向と予想されるのに対し、インドルピーは、インドの好調な景気と旺盛な資金流入により、対円においても底堅く推移するものと見られます
インド小型株_レポート01

為替の見通し

  • インドのマクロ経済状況は、インフレの抑制、経常赤字のコントロール、潤沢な外貨準備高、対外短期債務の低さなどがいずれも堅調であることから、インドルピーに対しポジティブな見方をしています。また、2024年2月1日発表の予算案では、財政赤字の削減を大幅に加速させる方針を政府が打ち出したこともサポート要因になると思われます。
  • 現在のインドは海外からの活発な株式と債券への資金流入等があることに加え、国外で働くインド人からインド在住家族への送金が年間1,000億米ドル以上あり、資金流入が旺盛であると言えます。
  • インド準備銀行は、必要に応じてインドルピーを防衛するための十分な外貨準備高(輸入の約11ヵ月分相当)を有しており、不測の事態にも適切な対応が可能と考えられます。

SBIファンズ・マネジメント・リミテッド(2024年2月15日現在)

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