サマリー
日本株式市場 2024年の振り返りと2025年の見通し
2025年の日本株につきまして、アムンディ・ジャパンでは引き続き堅調に推移し、まだ伸びしろがあると考えています。
その理由は以下の3点です。
1. 日本の企業業績が良好
・日本の利益成長率は欧米よりも高いものとなっています。為替も1ドル=150円台前後の円安が定着し、いよいよデフレ完全脱却が見えてきたと考えられます。
・2024年は春闘で約34年ぶりに5%という数字が出ましたが、今年も同水準が見込まれています。これにより、消費が上向くことが期待されます。加えて、企業の設備投資も顕著になると考えます。
2. 東証改革が企業価値を押し上げるのはこれから
・東証が上場企業に対し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請したのは2023年3月で、あれから2年が経とうとしていますが、全企業が開示をしているわけではなく、また開示をしている企業でもその内容は投資家の目線とずれがあると東証は指摘しています。そのため、今年は開示企業リストの改良も行う構えです。
・アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドの運用チームは2000年から企業と対話をしていますが、以前は「提案」を行っても「そんなことどうでもいい」と邪険に扱われることも多かったと聞いています。ところが、昨年あたりから、東証の要請についてどのようなことをしたらよいかを企業側から相談してくる事例が相次ぎ、本当に日本企業が変わろうとしていることを実感しているそうです。
3. 日本株のバリュエーションは割安
・バブル期とほぼ同水準の日本株ですが、PERやPBRの値は大幅に異なることから、大幅な伸びしろがあると考えられます。
・ROEについてはバブル期と同水準ですが、バブル期のROEは主に借入れを増やすことによるものである一方、足元は売上高に対する利益率を高める企業努力により、筋肉質に変貌したことがROE向上に繋がっています。
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