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ESGの主流化がこれまでの課題への新たなソリューションに

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投資によるインパクトの測定が複雑化

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パンデミックによる警鐘

多くの投資家は、自らの投資判断がどれだけ強力で影響力があるかを認識していません。

新型コロナウイルスは、気候変動が私たちの生活に与える影響と今後の可能性について気づきを与えてくれました。遠い将来に起こると予想していた出来事が、現実に起こっているという衝撃は、経済モデル、とりわけ持続可能性の欠如に疑問を投げかけています。そして、地球温暖化はその影響が突出していることから、瞬く間に世界の各国政府が取り組むべき優先課題となりました。

後手に回る気候変動への政策対応

気候変動による気温上昇は今に始まったことではありません。しかし、今日の気候問題は人的な結果に他なりません。火災、干ばつ、ハリケーンなど、気候変動が直接的要因となっていることは周知の事実です 。[1]国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、阻止することができないように思える気温上昇について「死活問題」と述べており、世界は「低炭素社会への移行が求められるなか、その現状はあまりにもかけ離れている。」と訴えています。[2]

しかし、世界的な共通認識と目指すべき明確な目標(よく知られている2℃目標 )がありながら、政策の対応は遅れています。ネットゼロ社会の実現に向けた取り組みが行われていますが、どうすればそこに辿り付けるのかは依然として不透明なままです。

選択の重要性

政策対応と民間の活動に加えて、投資家による気候変動対策支援は環境的および社会的に適切な持続可能な経済モデルへの移行をチェックする上で重要な役割を果たします。投資という行為は中立的な行動ではなく、結果を伴うインパクトのある選択なのです。

しかし、多くの投資家は自分の投資判断がどれほど強力で影響を与えることができるかを理解していません。気候変動はあらゆるレベルで取り組むべき問題であり、投資家にはその役割を果たす責任があります。これは彼らにその意欲がないというのではなく、どこからあるいはどうやって投資を始めるべきかがわかっていないだけなのです。

企業が2℃目標に対応しているかが判断できることは、最初の良い切り口だと言えます。これが、アムンディが、ポートフォリオ分析に用いる気候変動指標のひとつとして、温度スコアを導入した理由です。このレーティングは、企業のコミットメントを地球温暖化レベルで示し、バリューチェーンの全てに関連する排出量を把握できます。言い換えれば、レーティングは投資家のポートフォリオにおける温暖化に対する取り組みの度合いを測るのに役立ちます。

レーティングは温暖化シナリオにポートフォリオや株式がどれだけ合致しているかを表します。アムンディのESGメソッド・アンド・ソリューションズの責任者テグウェン・レ・ベルトは、レーティングを設定してまだ日は浅いが、その手法には強力なポテンシャルがあると確信しています。言い換えれば、レーティングは地球温暖化に対抗する強力なツールになる可能性があります。

エンゲージメントは強力な手段

エンゲージメントは、地球温暖化対策に取り組むための強力な手段です。ファンドマネジャーは企業との対話や議決権行使を通じて、投資先企業のESGに関わる慣行を改善し、気候変動対策に取り組むよう働きかけることができるのです。

そのため、適切なマネージャーを選定することが極めて重要です。投資家には、言葉だけでESGに賛同し、実際にはその考えを支持しない運用者は必要ないのです。彼らが必要としているのは、影響力を行使し投資先企業がこれまで以上にESGへの取り組みを促すことができるマネージャーなのです。


出所:

[1] https://ec.europa.eu/clima/climate-change/causes-climate-change_en
[2] https://www.sbs.com.au/news/article/un-chief-climate-change-a-matter-of-life-and-death/nwbwny4tj

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文書作成日: 2022年5月10日
文書番号:2309929

コラム著者

テグウェン・レ・ベルト
アムンディ、ESGメソッド・アンド・ソリューションズ責任者