ESGはチームワーク

2020年、アムンディはガバナンスを取り巻く49,968の議案に議決権を⾏使し、その20%に反対票を投じました。[3]

会計スキャンダルや企業破綻は新聞の⾒出しを賑わせます。それらは当然ながら賢明な投資にはなりません。

問題企業を暴くことはメディアには価値があることかもしれません。しかし、リターンを期待する投資家にとってはそうではありません。彼らは損失を被る前に、あらゆる危険信号を察知しなければならないのです。

しかし、近年、デジタル化やグローバリゼーション、気候変動などの要因により事業環境はますます複雑になり、危険を感知することはこれまで以上に難しくなっています。

今⽇、投資家は、より多くの顕在的あるいは潜在的なリスクを理解し、様々なデータを⽤いて、そうしたリスクが企業パフォーマンスに及ぼす影響を評価しなければなりません。

したがって、効果的なコーポレートガバナンスとは、リスクを把握・管理して、リスクが深刻化する前に、必要に応じてその情報を社内で共有する必要があります。これが、ESG投資の「G」であり、企業の命運を決定づけることがあります。

欧州を代表する資産運⽤会社のアムンディは、重要視する投資先企業の財務パフォーマンスは、他への模範となるコーポレートガバナンスと社会や環境に対する⼤きな責務を統合した⻑期ビジョンのもとではじめて持続可能なのだ、と考えています。

2019年の年次報告書に記載の通り、アムンディグループは議決権の⾏使を通じてこの考えを実践しています。「当社が考える優れたガバナンスの姿は、当社の議決権⾏使⽅針と企業との対話を通じて⽰されています。有効な企業統治を期すための株主の影響⼒は、企業の基本⽅針決定、特に株主総会に参加するか否かにかかっているのです。」

アセットマネジャーは、株主総会の議案を分析し、ポートフォリオマネージャーと意⾒交換を⾏い、議決権⾏使⽅針を決めることが、コーポレートガバナンス・チームの役割です。この段階で取り上げるべき課題、「アジェンダ」が設定されます。毎年、新たな事項が「アジェンダ」に挙がります。その内容が社会の考えと⼀致しているかを確認する役割をチームは負っています。

例えば、2019年にコーポレートガバナンス・チームは、アムンディが重要と考える2つのテーマである気候変動と格差拡⼤について発⾏会社の注意を喚起しました。[1]アムンディは、こうした論点に関してエンゲージメントを⾏うことが、企業の⻑期的なパフォーマンスを下⽀えすると考えます。

環境や社会的不平等などの課題に対して重要な判断を下す企業を探すなかで、アムンディは2021年より、⼤量の⼆酸化炭素を排出し、未だに事業戦略をパリ協定の⽬標に適合させていない、など対応が遅れている企業には、議決権⾏使で反対票を投じることも含め、働きかけを強化しています。[2]アムンディでは、これまでガバナンス問題を評価する際は年次株主総会に重点を置いていましたが、今がESGチームのアナリストが、総会議事録で特記されるよりもはるかに広範囲の課題について取締役会メンバーとの協議に加わっています。

2020年のパリチームによる議決権⾏使結果

2020年のパリチームによる議決権⾏使結果

出所:
[1] アムンディ・アセット・マネジメント、2019年エンゲージメント報告書
[2] アムンディ・アセット・マネジメント、2020年エンゲージメント報告書
[3] アムンディ・アセット・マネジメント、2020年エンゲージメント報告書

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文書作成日:2021年7月1日
文書番号:1913074

コラム著者

エロディー・ローゲル
チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー